お知らせ

2017/04/11

レーシックの利点、欠点

レーシックの利点、欠点についてはネット上でも様々な意見が散見されます。時には医学的根拠のない話も出ているようです。

レーシックは近視治療のメインとなる手術です。日本眼科医会も眼科医がきちんとリスク管理をするべきと様々な方面で情報発信をしています。患者さんのサイドに立った医学的見解を出していますので、以下、日本眼科医会の公式見解を転載します。まずは基本的な知識としてご一読お願いします。

レーシックのメリットとデメリット

屈折異常の人たちにとって、レーシックは裸眼で物を見ることを目的とした手術ですから、眼鏡やコンタクトレンズから開放されるというメリットがあります。眼鏡のわずらわしさやコンタクトレンズ装用時の異物感や乾燥感に悩まされている人には、これらが不要になるという大きなメリットがあります。
しかし、レーシックで矯正できる度数には限度がありますので、高度の近視や乱視の人では十分に矯正できないことがあります。矯正できる量には個人差がありますので、手術前の十分な検査が必要になります。また、レーシックは手術を行う時点での屈折異常を矯正するものであり、その後の近視の進行を止める効果はありません。このために18歳未満ではレーシックは適応になりません。40歳以上の方では調節力の低下、いわゆる老眼が始まりますが、レーシックで矯正することはできません。レーシックによって遠方の視力が向上しても、近くのものの見づらさが増すことがあります
また、手術には合併症やリスクがつきもので、そうしたデメリットについて、よく理解することが大切です。主なデメリットを以下にお示しします。

夜間に視力が低下する

夜間の光がまぶしく、にじんだように見えることがあります。角膜の切除径や深さ、瞳孔の大きさなどが関係しますが、こうした症状が生じた場合には治りません。

術後に角膜が変形する

レーザーで削った角膜は元通りには戻すことはできません。高度な近視で、角膜切除量が大きい場合などでは、術後に薄くなった角膜が前方に突出して角膜が不正な形に変形して視力が低下してくることが稀にあります。こうなると、ハードコンタクトレンズによる矯正でしか視力補正ができなくなります。

術後に角膜が混濁する

角膜中央部をレーザーで削るため、角膜に混濁が生じる可能性があります。眼鏡やコンタクトレンズで視力を補正できていた人が、手術を受けたために、かえって視力が低下してしまう可能性があります。
レーシックの術後に生じた感染症で、重度では角膜混濁や菲薄化、変形が起きて、最悪の場合は角膜移植が必要となったり、失明に至ることもあります。

ドライアイになる

レーザー照射の前にフラップを作製するため、角膜の知覚神経が切断され、術後数カ月から1年くらいの間、ドライアイが起きたり、悪化することがあります。これは時間とともに徐々に回復してきますが、回復には個人差があります。
(角膜上皮からムチンが出なくなることも原因です。)

度数の変化によって視力が低下する

術後、屈折矯正効果の戻りなどの変化が起きることがあります。角膜のレーザーで削られて薄くなった部分が突出してくるためではないかと考えられています。多くの場合はレーザーの再照射(再手術)によって補正できますが、残った角膜の厚みや矯正度数の問題で再手術ができないこともあります。

正確な眼圧測定ができなくなる

レーシック術後には角膜が薄くなり変形するので、眼圧測定値が低めに出たり、時には眼圧の測定ができなくなることもあります。日本人は緑内障が多く、40歳以上のうち5%が緑内障に罹患しているという研究結果が出ています。高度近視の方では、緑内障のリスクがより高いのですが、この性質はレーシックを受けても変わりません。レーシックの術後には眼圧が正確に測定できないために、緑内障になっても見逃されてしまう可能性があります。

正確な白内障手術ができなくなる

将来、白内障の手術をされるときは、濁った水晶体の代わりに入れる眼内レンズによって屈折矯正をするのですが、レーシック術後には、この眼内レンズの度数を正確に計算できなくなります。白内障手術の際には、参考データとして、レーシック以前の目のデータと手術内容の記録が必要となります。

(以上、公益社団法人 日本眼科医会ホームページより転載 http://www.gankaikai.or.jp/important/lasik.html )

メリット(利点)とデメリット(欠点)、どちらが自分に影響が大きいのか?

いくら安全性が高いといっても、合併症が全くない手術はあり得ないことは周知の事実です。

良い点、悪い点を理解したうえで手術適応を検討ください。

先にお伝えしたように、メガネはまだしもコンタクトレンズは数十年毎日使用するのであればレーシックよりも目の障害リスクははるかに高い、視力矯正手段として最も危険性が高いはずです。

合理的思考は日本人は苦手な傾向があります。

全ての医療行為には利点と欠点を比較して、利点が大きい場合にその治療を選択されているはずです。近視手術も例外ではありませんので、疑問点があれば近視手術に詳しい眼科専門医によく相談されることをお勧めいたします。

一般的にいえることは、レーシックの手術メリット、デメリットだけを考えて、近視で視力不良な状態に対してメガネやコンタクトレンズを生涯使用する場合のメリット、デメリットを考えない方が多い点です。前述の日本眼科医会の指摘するデメリットは、手術適応をきちんと術前検査で確認して無理のない手術をしなければほぼ対応可能と考えます。次回はレーシックのデメリットへの対応方法について、眼内コンタクトレンズ手術(フェイキックIOL )と共にお伝えしたいと思います。また、過去のコラムもご参照ください。

レーシック、手術の失敗!?

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