専門医コラム
2016/01/27
アンチエイジングにつながる? 年の取り方が分かるテスト開発
加齢に関わる病気のリスクを特定
年齢を重ねることに伴う病気のリスクを特定する新しいテスト開発が、英国ロンドン大学キングスカレッジのジェームス・ティモンズ氏らの研究グループより遺伝子分野の専門誌であるゲノム・バイオロジー誌において2015年9月に報告されました。
Researchers develop novel test which can tell how well a person is ageing
スウェーデンのカロリンスカ研究所、米国のデューク大学と7年間にわたって協力して、「RNAプロファイリング」という方法を用いて、数千に及ぶ人の組織を使って遺伝子の働きについて分析をしてきたとのこと。
ここから新しい老いを知る方法に迫りました。
生活習慣とは別か
同時期に生まれた人の「生物学的年齢」スコアには幅があると分かりました。
実年齢以上に年老いた人がいたり、実年齢並みだったり、実年齢よりも若かったりするばらつきが、遺伝子レベルで確認できるというのです。
スコアが低いと認知低下との関連まで認められました。
スコアは心臓病や糖尿病のような生活習慣による疾患とは関連していませんでした。生活習慣の影響を受けずに、その人の老い方を決める可能性があると研究グループは推論しています。
病気の管理が可能に
さらに、RNAプロファイリングによって、アンチエイジングの治療の効果を調べる方法にもつながる可能性が示唆されました。
目に見える病気ではなく、その人の年の取り方のリスクを新しいテストによって、あらかじめ知ることも可能になるかもしれません。眼科的には失明上位の緑内障や加齢黄斑変性の早期発見予防に繋がることが期待されます。

