専門医コラム
2015/09/08
失明増加中!「加齢黄斑変性症」目に起こる血管の異常、悪役を確認
国によっては失明の原因1位になっている目の病気「加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)」。
この病気では新生血管と呼ばれるもろい血管が異常に伸びて問題になります。
失明の原因1位にも
米国ワシントン大学(セントルイス)の研究グループが、有力科学誌ネイチャーの姉妹誌でオンライン専門科学誌のネイチャー・コミュニケーションズ誌で2015年8月11日に報告しました。
加齢黄斑変性は、年を取ると共に目の網膜の黄斑〈おうはん〉というところに異常を生じて、視力が低下する病気です。先進国で国によっては、失明の原因の第1位になっています。
加齢黄斑変性には目の血管の異常形成を伴う「ウェット型」と伴わない「ドライ型」があり、「ウェット型」の方が失明につながりやすいのです。
目の中の「免疫」に異常
年を取る変化と病気による変化の差は何か?
研究グループは、目の防御に関わる免疫を調べました。
注目したのは、炎症に関係する「インターロイキン10(IL-10)」で、血管の異常な形成に関係すると突き止められていました。
失明する前には、このIL-10が増加し、体内で異物を掃除する免疫細胞「マクロファージ」のM2というタイプも増加していました。
M2の機能がおかしくなると、光を受け止める「網膜」で過剰な血管が伸びてきます。
STAT3の阻害で形成減少
研究グループは、細胞間の信号伝達の仕組みを思い通りに遮断して、IL-10の働きを調べています。
IL-10がSTAT3というタンパク質が関わる信号伝達の働きを高めると、目の中のマクロファージが変化し、血管を異常に作り出していました。
IL-10とSTAT3の両方を邪魔すると、症状が好転しました。
人間の組織でも確認
さらに、人間の加齢黄斑変性のウェット型でも同じような問題があると確認できました。
働きの高まったSTAT3を多く含むマクロファージが、実際の病気の組織に多く存在したからです。
人間でも、IL-10とSTAT3を邪魔すると、病気が緩和される可能性があると研究グループは推測しています。
初期段階の研究ではあるものの、今後、治療薬の開発につながる可能性もありそうです。
しかし、加齢黄斑変性症を生じる原因を突き止めたわけではありません。
インターロイキン10(IL-10)は、ヒトでは主として2型ヘルパーT細胞(Th2細胞)から産生され、他にも単球、活性化B細胞、角化細胞など様々な種類の細胞より産生されます。IL-10は抑制性活性が中心ですが、これ以外にも多彩な生物活性を有する多機能性サイトカインです。
炎症性疾患で上昇する事が知られていますが、炎症性疾患である敗血症、炎症性腸疾患で血清中IL-10濃度が低下していたとの報告があり、自己免疫疾患では、全身性エリテマトーデス(SLE)で血清中IL-10濃度の上昇を、強皮症では低下を認めたとの報告もあり、例外もあるようです。
何故、IL-10、M2 が増加するのか?
この原因がまだ不明とされています。一説には、重金属の問題が指摘されており、高濃度ビタミンC点滴のデトックス作用が加齢黄斑変性症抑制の効果が報告されていることからも、黄斑部に蓄積した重金属を排出する事が出来ればこの疾患の進行を止める事が出来る可能性が示唆されます。
重金属問題は過去のコラムでも取り上げました(日本人の水銀蓄積量は、欧米人の2~6倍高い! 眼疾患の原因の一つ)。
様々な経路で体内に重金属が入ってきているのが現状です。意外と知られていませんがインフルエンザワクチンには水銀が入っています。私たちが気付かないうちに黄斑部に蓄積した水銀をはじめとした重金属が、炎症を引き起こした結果、IL-10 が上昇していると推測されます。
この仮説が正しいとすると、黄斑変性症が進行して、中心視野が『枯れる』前に、デトックス治療を行う事が効率的治療に繋がると考えられます。当院のアレルギー科ではそのための治療を提案しております。
参考文献
New clues found to vision loss in macular degeneration
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